オリンピックじゃあるまいし。

 

今日は久々に地元を散歩した。

別段何があるわけでもないが、

なんとなくそういう気分だったから

カメラを片手を歩いてみた。

 

昔の通学路、思い出の場所

だだっ広い公園、近年できたローズガーデン。

 

よく目を凝らして見れば、この街に住んで20年

その様相が少しずつ変化している事に気が付く。

 

それは暗にもう二度と時が戻らない事を

懐かしさを取り戻せない事を

まるで物語っているようだった。

 

私はこの街を知っていて、

ここに住む誰かしらは私のことを知っている

 

ごく当たり前のことなのかもしれないが

私はそれが少し億劫に感じた

 

 

私のことを知っている人が

誰も居ないところに住んでみたいな

 

不思議とそういう気持ちになった。

 

 

生まれて初めて、

世捨て人になりたいひとの気持ちが

隠居生活を送りたいと願う人の気持ちが

わかったような気がする。

 

私の知っている限り

ある日突然、行方を晦ます人物がいる。

 

まあ何ヶ月か或いは何年かしたら帰ってくるし

また繋がると何処かでわかっているせいか、

あまり気にも留めないし不安にもならないのだけれど。

 

数年したらなぜか必ず帰ってくる。

オリンピックじゃあるまいし、

色々と作り直すのは面倒でないだろうか

と疑問に思うこともあったのだが、

 

今はその気持ちが少しわかる気がする。

 

 

自分のことを忘れて欲しいという気持ちと

周りの事を一時的に忘れたいなと思う気持ち

 

誰にも知られたくなくて

見つけて欲しくなくて、理解されたくなくて

 

でもどこかで全く別の誰かと

繋がっていたいという欲もあるし

 

知らない世界に身を置いて

自分が何者なのかを知りたくなる

 

 

そんな感じなのでしょうか。

 

 

私にはまだそれを実行に移すことのできる、

預金も実力もない。

 

 

でも、そういう人たちを

この場所からそっと見守って応援したいし

 

その唯一無二のストーリーを

あとからゆっくりこっそり知っていきたい。

 

 

 

オリンピックじゃあるまいし、

急ぐことなかれ

 

 

とりあえず今日も元気です。